ねこ

猫の皮膚糸状菌症の予防と対策について解説

こんにちは、獣医師のにわくま(@doubutsu_garden)です。

皮膚糸状菌症と診断されたけど、薬を飲む以外にお家でできる予防や対策はあるのかな?

家で使ってるケージとか毛布はどうしたらいいんだろう?

そこで今日は、犬や猫が皮膚糸状菌症と診断されたらするべき予防や対策について解説します。

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皮膚糸状菌は動物の毛や皮膚との接触で感染する

皮膚糸状菌は動物の毛根や皮膚に潜んでいて、それに接触することで感染します。

また、床に落ちた毛やフケにも潜んでいることがあり、これも感染源となります。

隔離する

上記のツイートのように、まずは「隔離」。

毛やフケなどを掃除しやすい部屋、周りに物が少ない部屋がよいです。

同居動物がいるのであれば、接触を避けるようにしましょう。

生活環境の洗浄をする

2つ目に、「洗浄」。

目的は、生活環境から感染物質を除去すること。

皮膚糸状菌は感染動物との接触で感染する可能性が高く、環境から感染する可能性は低い。

(参考文献)Moriello K. “Feline dermatophytosis: aspects pertinent to disease management in single and multiple cat situations.”

要は、皮膚糸状菌は動物間での接触により感染するもので、カーペットや毛布などから感染する可能性は低い、ということですが、感染しないわけではありません。

なので、猫が生活しているスペースや、猫が触った可能性のあるものはすべて洗浄しておいたほうがいいでしょう。

  1. 掃除機やぞうきんで大きな汚れを除去
  2. 水と洗剤で徹底的に洗浄
  3. 消毒

日常でよく使うのは次亜塩素酸ナトリウム。
市販されているものは5%が多いので、10〜100倍希釈して使います。

多くの人が「洗浄」よりも「消毒」に意識が行きがちですが、徹底的に汚れを落とすことのほうが重要です。

消毒よりも物理的洗浄が重要!

毛刈りはしたほうがいいのか?

はい、毛刈りはしたほうがいいです。

抗真菌薬の内服薬は、毛根に潜んでいる真菌には有効性を示しますが、被毛自体についている真菌には届きません。

そして、この「被毛に付いている真菌」によって、猫自体は発症しないが、感染源になってしまうことがあります。(腐生、不顕性感染)

にわくま
にわくま
猫には症状が出ないので、長期間飼い主さんも気づかないまま感染を広げてしまう可能性もあります。
にわうさ
にわうさ
それを防ぐためにも毛刈りをしたほうがいいのね!

問題点として、猫の毛刈りをする場合、鎮静を必要とする場合が多く、どうしてもむずかしい場合は部分的なカットでもいいでしょう。

まとめ

皮膚糸状菌症と診断された場合、薬を飲むなどの治療のほかに、感染を広げないための対策を飼い主さん自身におこなってもらう必要があります。

  • 隔離
  • 生活環境の掃除(洗浄)

どちらもお家の環境でむずかしいという人もいるかと思います。

治療を迅速かつ有効におこなうために、できる範囲で実行していただきたいと思います。

(参考文献)Moriello K. Feline dermatophytosis: aspects pertinent to disease management in single and multiple cat situations.