犬が水をよく飲む原因は?多飲多尿は病気のサイン?!

こんにちは、獣医師のにわくま(@doubutsu_garden)です。

犬の健康のバロメーターの1つとして飲水量を確認しておくことは非常に重要です。

暑い日や湿度の高い日は飲水量は増えるし、寒くなれば減るでしょう。

しかし、大量に水を飲むようになった、大量の薄い尿をするというのは病気のサインである可能性が高いのです。

今回は飲水量や尿量が増える原因について解説します。

猫の多飲多尿については下の記事で解説しています。

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犬の正常な飲水量はどれぐらい?

まず、犬が1日にどれぐらいの水分を摂取するのか知っておきましょう。

https://twitter.com/doubutsu_garden/status/1188218156952670209?s=20

犬の1日の正常な飲水量=体重1㎏あたり50〜60ml

もし犬が1日のうちに体重1kgあたり100ml以上の水を飲んでいる場合は、異常の可能性が高いです。

にわくま
5㎏の犬であれば500mlのペットボトル以上の水を飲んでいれば多飲ということになりますね。

ただし、この量はあくまで目安であり個体差があるので、おうちのわんちゃんが普段どれぐらい飲むのか計っておきましょう。

その日の気温や湿度、フードに含まれる水分量で飲水量は変わるので、1週間ぐらい連続して計ってみてくださいね。

尿量尿の色臭いもよく観察しましょう。

にわくま
尿量を正確に計るのはむずかしいと思います。室内犬であればペットシーツを使うことが多いと思うので、シーツの重さやシミの大きさで判断してみてください。

犬の飲水量が増える原因は?

https://twitter.com/doubutsu_garden/status/1188356497249464321?s=20

上記のツイートのように、犬の多飲の原因はいくつか考えられます。

  • 糖尿病
  • 子宮蓄膿症
  • 慢性腎臓病
  • ホルモン疾患(犬では副腎皮質機能亢進症が多い)
  • 肝不全
  • 脱水
  • フードの変化
  • 薬の服用
  • 心因性(精神的な原因)

他にも考えられますが、主なものをあげてみました。

発生の順序としては、何かしらの原因でまず尿がたくさん出るようになることで、その結果喉が渇き飲水量が増えるというしくみです。

原因を順番にみていきましょう。

子宮蓄膿症

避妊手術をしていないメスに多い病気です。

子宮に細菌が入りこみ、子宮の中で増殖し炎症を起こします。
子宮に溜まった細菌が出す毒素の影響によって腎臓がダメージを受けるため、腎臓の機能が低下して尿量が増えます。

未避妊で発情出血(生理)の後1~2か月で水を飲む量が増えた場合は、子宮蓄膿症を疑います。

にわくま
多飲多尿を起こす病気の中で最も緊急性が高く、子宮内の細菌の毒素が血液によって全身に回ると、短時間で死に至る可能性が高いです。
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慢性腎臓病

腎臓は血液中の老廃物を回収して、尿として体外へ排出する重要な役割があります。

しかし、高齢になると腎臓の機能が低下し、尿を濃縮することができなくなり、薄い尿を大量にするようになります。

その結果多くの水分が体外に排出されてしまうことになり、水を飲む量が増えるんですね。

初期の段階で腎臓病の症状が出る犬もいますが、重篤な症状は腎機能の75%が失われないと現れません。
腎臓病の早期発見がむずかしいのはそのためなのです。

発見が早ければ、早い段階から病気の進行を遅らせることができます。

多飲多尿は慢性腎臓病の初期症状の1つなので、少しでも早く気づきたいですね。

糖尿病

糖尿病も中高齢の犬に多い病気であり、特に肥満の高齢犬では注意が必要です。

糖尿病つまり血糖値が高い状態が続くと、血液中の糖を大量の水分と一緒に尿として排出しようとするため、多尿が起こります。

その結果喉が渇き、水をたくさん飲むんですね。

治療が遅れると細菌感染や肝障害、白内障、糖尿病性腎症などの合併症を起こす場合があります。

また、糖尿病性ケトアシドーシスという状態になると、元気消失や嘔吐、下痢を起こし、採取的には昏睡状態になり亡くなる可能性もあります。

このような状態になる前に、早めに気づきたいですね。

にわくま
多飲多尿のほかに、食欲はあるけどやせていくという症状がみられます。

副腎皮質機能亢進症(クッシング症候群)

クッシング症候群は、内分泌系の疾患の一つで犬では比較的よくみられます。

腎臓のすぐそばに「副腎」という臓器があり、そこからコルチゾールという代謝に関わるホルモンが分泌されます。

コルチゾールは健康に生活をしていくうえで欠かせないもので、ストレスから体を守ったり、血糖値や血圧を調節したり…生命維持に欠かせないホルモンです。

このコルチゾールが何らかの原因で過剰に分泌されてしまうことで、逆に体に悪影響を与える状態のことをクッシング症候群といい、その症状の1つとして多飲多尿がみられます。

にわくま
多飲多尿のほかにお腹がふくれる、毛が薄くなる、無気力などの症状がみられます。

脱水

暑くなると犬は体温を下げるためにハァハァという呼吸(パンティング)をします。

パンティングをすることで体内の水分はどんどん減っていくので、体内の水分量を保つために飲水量が増えます。

パンティングについては下の記事で解説しています。

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フードの変化

缶詰のように水分が多く含まれているウェットフードからドライフードに切り替えると、飲水量が増えることがあります。

また、人間と同じで塩分の多い食事をすると水をたくさん飲むようになります。

ナトリウム含有量の高いフードや、塩分の高い人間のごはんなどを食べてしまうと、水を飲む量は増える可能性があります。

心因性(精神的な原因)

意外と多いのが、心因性のもの。

犬は緊張を紛らわすために水を飲むことがよくあります。

お留守番の時間が長かった、来客があった、など環境に変化があった場合は精神的な影響が考えられます。

薬の服用

アトピー性皮膚炎の治療や皮膚の痒み止めなどとして使うステロイド剤や、心不全の治療に使う利尿剤は、尿量が増え、結果的に飲水量も増えます。

薬の服用を中止すれば元に戻るので、あまりにも尿量が多くて管理が大変という場合は病院へ相談してみるといいかもしれません。

まとめ:犬の多飲多尿は病気のサイン!元気食欲はあっても病院で検査しましょう!

  • 犬では1日で体重1㎏あたり100mlを超える飲水量は多飲
  • ペットシーツの尿量・尿色・尿の臭いも要チェック
  • 多飲多尿は何らかの病気の初期症状である可能性が高い
  • 元気食欲があっても多飲多尿がみられる場合は病院で検査を受けましょう

飲水量や尿量は犬の健康状態を知るためのバロメーターになります。

特に高齢犬がかかりやすい病気の初期症状として多飲多尿がみられることが多いです。

さらに、自然治癒しない病気がほとんどです。

にわくま
いかに早期発見をするかが重要。元気食欲はあっても多飲多尿がみられたら検査を受けましょう。
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