獣医学生って就活ってするの?
もちろん!でもみんなが考えている就活とはだいぶ違うと思うよ。
こんにちは、獣医師のにわくま(@doubutsu_garden)です。
結論から言うと、獣医学生の就活は楽勝です。とくに動物病院志望の人はかなり有利で就職難民になることはまずありません。今日は獣医学生がどんなふうに就職活動をしているのかを紹介したいと思います。
動物病院での就活
獣医学生の最も多い就職先は動物病院。
「獣医の仕事」と聞くと動物病院を思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。
動物病院には、個人で経営している動物病院と、企業が運営している動物病院があります。
個人経営の動物病院は、院長が経営者、個人事業主となって病院を経営しています。
個人経営でも、法人化している病院はあります。
一方、企業が運営している動物病院は、院長や獣医師などのスタッフは全員、その会社に雇われることになり、経理や人事は院長とは別の人がおこなっていることが多いです。
イオン動物病院が有名ですね。
グループ動物病院として全国各地に病院があります。
それ以外にも企業が個人の動物病院を買い取って、グループ病院の1つになるというような、吸収?のような、グループ化も積極的に行われているようです。
私は個人動物病院と、企業動物病院、どちらも就活で訪問しましたが、就活の流れはだいたい同じかなと思います。
雇用契約の面では全然違ったりします。企業の方が、残業や休暇、研修面などしっかりしている印象です。
農林水産省によると、動物病院は全国に10,000ヶ所あります!極端にいえば、この全てが就職先の候補になります。
動物病院によって異なりますが、募集人数はだいたい1〜2人。
都会の大きな動物病院でも3〜4人ぐらい。
そして、毎年の獣医師国家試験の合格者数は約1,000人。
ということは、選り好みさえしなければ、動物病院就職率100%です。(国家試験に合格するという前提ですが)
動物病院によっては、志望者が多くて選考になることもあります。
しかし、最近の傾向として、動物病院に勤務しても3年ぐらいで退職していく人が多いんですね。
なので、動物病院側としては、人材はどんどん確保しておきたいのです。
そのような事情もあって、募集が出ている動物病院では、よほどのことがない限り不採用ということはありません。
私も4つ見学に行きましたが、全ての病院から内定をいただきました!
要は、学生側が動物病院を自由に選べるわけです。
就職に困ることはありません。
いつから就活をはじめるのか?
私が大学3年生になったころ、4年制大学に通う友人たちは就職活動を始めていました。
必死にエントリーシートを書いたり、面接を受ける友人たちの話を聞くたびに、大変そうだなーと他人事のように感じてました。
3年生は、実習や試験で忙しかったものの、学生生活はまだ半分以上あるし、就活なんてまだまだ先の話だと思っていたからです。
では、獣医学生はいつから就活を始めるのか?
人によってバラバラなのですが、動物病院志望の人は、6年生の夏休みあたりから始めていました。夏休みだとまとまった時間を取りやすく、泊りがけでいくつかの動物病院を見て回れるからです。
早い人で6年生の春休み、遅い人で卒業直前という人もいました。
なので、就職活動に関してはスロースタートです。
ただ、卒業研究、卒論発表にじっくり取り組むためにも10〜11月には決めたいところですね。
どうやって候補の動物病院を探すのか?
まずは行きたい地域を絞ります。
そして、次のような方法で動物病院を探していきます。
- 毎年、大学に山のようにやってくる求人案内の中から探す
- ホームページのある動物病院の中から探す
- 過去に先輩たちが就職した動物病院の中から探す
- 教授や先輩に紹介してもらう
- 求人サイトに登録する
だいたいこんな感じかなと思います。
私はホームページなどで5〜6件いいなと思うところを候補にあげて、最終的に4件の動物病院に見学に行きました。
多い人は10件以上の動物病院を見て回っていました。
いい動物病院とは何か?
就職先の候補がたくさんあって、学生側は選べる立場なので、当然条件がいい病院に行きたいというのが本音です。
それでは、「いい動物病院」とは何なのでしょうか?
飼い主さんからみた「いい動物病院」とはまた違います。
給料がいい病院?きれいな病院?休みがちゃんととれる病院?院長が優しい病院?
人によって「いい動物病院」の条件は違ってくると思います。
私の場合は、獣医師になってから少なくとも3年で、これができるようになっていたい、こんな獣医師になっていたいという目標がありました。
そこで働くことによって、3年後、自分がそれを達成できる病院であるかを基準に選びました。
最終的に一番大事なのは、自分がそこで働きたいと思えるか、毎日出勤するのが苦痛にならないか、自分に合っているか、だと思います。
「そんなの働いてみないとわからない!」
そうかもしれません。
でも、見学に行った時点でなんとなく合わない、違うなというのは直感でわかるものです。
ホームページで見た印象がすごく良くても、実際行ってみたら全然違った!というのも良く聞く話。
病院見学に行く前に、「こんな動物病院でこんな風に働きたい」というイメージをしっかり持っておきましょう。
病院見学のアポをとる
さて、候補の動物病院が決まったら、次は病院見学(病院実習)に行きましょう!
でもこれがすごく大変。
自宅から近い動物病院なら日帰りでもいけますが、離れた地域に行こうと思うと移動も含めて、2日以上必要。
なので、見学先が多い場合は、1週間ぐらい休みをとって、2、3カ所まとめていくことをおすすめします。
なかなか疲れますが、交通費も自腹なので、なるべくそこはおさえたいところですよね。
行ってみたい動物病院の候補をいくつか選び、見学のアポを取ります。
私「もしもし、〇〇大学のにわくまですが、〇〇月〇〇日、就活を兼ねて見学に伺いたいんですが。」
院長「大丈夫だよー。白衣かスクラブ着て、歩きやすい靴できてね。」
私「わかりました。よろしくお願いします!」
企業だと、まずホームページの応募フォームから応募して、人事の方からメールが来て…という流れが一般的かと思いますが、動物病院の場合は、直接電話で尋ねた方が確実です。
メールを送ったのに気づかれないまま連絡が来ないってこともよくあります。
「何日間見学するのがいい?」
これもよく聞かれますが、私は1日見学すれば十分かなと思います。
なかには、もっとじっくり見て決めたいと、2日以上見学している人もいました。
時期をずらして2回行っている人もいました。
1日でも2日でも、得られることはそんなに変わらないと思います。
当日、見学に行く
病院見学では、院長や先輩獣医師の診察についていき、診察風景を見学させてもらいます。
手術も見学させてもらえます。
診察の合間に先輩獣医師からいろいろ話を聞いておくといいです。(院長には直接聞きにくいこととか)
そして、最後に院長と面接をして、雇用条件の確認などをします。
ここらへんのやり方は、病院によってちょっとずつ違うと思います。
病院見学のあと、居酒屋に連れていってもらって、そこでお酒を飲みながら面接のようなことをした病院もありました。
内定をもらう
病院見学が終わったら、自分がどうするのか決めます。
働きたいと決めた場合は、見学当日に内定をもらうこともできます。
迷っている場合は、とりあえず保留にして、後日返事をすることもあります。
私は、とりあえず全ての見学が終わるまで保留にして、1番最後に行った動物病院に就職することを決めました。
私の就職先は、ちゃんと採用通知?のようなものを送ってくれましたが、電話だけでそれを済ます病院も多いです。
本当に採用されたのか不安になりそうですよね。(笑)
まとめ
こんな感じで獣医学生は就活をしてます。
一般企業とはだいぶ違いますよね。
あとは国家試験に合格するのみ!←これ重要!
獣医師として採用されなくなってしまいます。。。
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