動物病院で働く獣医師の1日のスケジュール

こんにちは、獣医師のにわくま(@doubutsu_garden)です。

私は卒業して最初の数年間は町の動物病院の獣医師として働いていました。

にわうさ

動物病院の獣医さんの1日ってどんな感じなんだろう?忙しいのかな?

今日は私が新人獣医師だった頃の動物病院での1日のスケジュールを紹介したいと思います。

目次

7:30〜8:30 出勤、1日の始まり

動物病院の診察時間は9時からですが、もちろん9時に出勤するわけではありません。

入院動物やペットホテルにいる動物の数によって毎日の出勤時間は異なりますが、だいたい7時半から8時の間に病院に着くように家を出ます。

ここから長い1日が始まります。

〜8:30 入院動物の管理

出勤したらまずは入院動物の体調チェックからスタートします。

入院動物はだいたい毎日2〜3頭、ペットホテルの犬猫は10頭前後いるので、1頭ずつ体重、体温、心拍数、呼吸数を測定、元気食欲はあるか、便や尿をしているかなどを確認し、管理表に記入していきます。

入院動物に関しては、前日からの変化がとても重要で、良くなっているのか、悪くなっているのかを判断するために血液検査やレントゲン検査など必要に応じて行います。投薬も同時に行います。

今日退院できるかな?飼い主さんが面会に来たらどういう説明をしようかな?いろいろ考えながら進めます。

8時半にはスタッフ全員でミーティングを行うので、それまでに全ての管理を終わらせます。

ミーティングが終わると、9時から診察を始められるように準備をしたりと、だいたい朝からバタバタしています。

外来診察の準備をはじめます。

9:00〜 午前の診察

9時ちょっと前から診察開始。

体調の悪い子、健康診断、予防接種などいろんな子が病院へやってきます。

日によって混み具合はまちまち。

3月下旬から6月ぐらいまではどの病院も繁忙期。

フィラリア予防や狂犬病予防接種のために、病気でない子も来院するのでとっても忙しい。

普段は1日平均60〜70件、繁忙期では120件ほどの患者さんがやってきます。

動物病院の繁忙期はだいたい4月〜6月。この時期はフィラリア予防が始まったり、狂犬病の予防接種があったり、病気の子だけではなく、健康な子たちもやってくるからです。

病気をしない子だと、1年のうち、春しかお目にかからないこともあって、「久しぶりだね〜、1年健康に過ごせたんだね。」なんて話をすることもあります。

病気を診るのが動物病院の仕事と思われがちですが、こうやって元気な子たちをみて、この1年で体調に変化はないかな?と会話や身体検査をしながら発見することも重要な仕事だと思っています。

とくに体重に関しては、飼い主さんが気づかない間に増えていたり減っていたりすることがあり、病気が隠れていることもあります。

5分で終わる診察もあれば、1時間以上かかってしまう診察もあったりまちまちですが、12時ちょうどに診察が終わることはほとんどなく、13時ぐらいまでかかります。

13:00〜 手術・検査

午前診と午後診の間の時間、「昼休みの時間」と思っている飼い主さんもいますが、この時間もまだやるべきことがたくさんあるのです。

午前の診察が終わったら休む間もなく、手術・検査の時間です。

毎日1〜3件の手術が入っています。

エコー検査やCT検査など時間のかかる検査も、この時間帯におこないます。往診が入ることもあります。

昼休みの時間でも急患の電話がかかってくることもあり、急を要する場合はこの時間に対応します。

手術・検査が終わったら急いで昼食、やっと一息つけます。

休憩時間は1時間ぐらいの日もあれば0の日もあったり。1時間もあればゆっくり昼食を食べて眠ったりできるのですが、座ることもできないまま午後診に突入することもあります。

午後の診察前に、入院動物のチェックをします。

17:00〜午後の診察

ようやく後半戦。

時間どおりに診察が終わることはなく、だいたい21時ぐらいまで診察をしています。

午前診もそうですが、診察時間終了間際にどっと患者さんが押し寄せます。それまでの時間帯は暇で、「今日は早く帰れるかな〜」なんて考えていると、そこからあれよあれよという間に来院数が徐々に増え、終わってみれば9時過ぎている…なんてこともしょっちゅうです。

診察終了後

これで1日の診察は終了。

が、まだまだ仕事は残ってます。

その日新たに加わった入院動物の体調管理や投薬を順番にしていきます。

そのあと、今日来院した患者さんのカルテを見直しながら、治療プランを考えます。

1年目のうちは、飼い主さんに聞かれてうまく答えられなかったことや分からないことが次々と出てくるので、調べたり勉強したりするのも仕事です。

自分一人で考えるのではなく、院長や先輩獣医師の意見も聞きながら、全員で情報を共有するようにしてます。

獣医療は日々進歩しているし、新しい治療や考え方が出てくるので、いつになっても学びが終わることはないですね。

そして、次の日の手術の準備をして帰宅。

ちなみに、これはどの動物病院も共通なのではないかと思いますが、「夜オペ」なるものもあり、診察時間終了後にオペをすることもあります。

午後の診察に来た子で、手術が必要だと判断した、でも次の日までは待てないという場合は、夜オペになります。

子宮蓄膿症とか、お腹の腫瘍が破裂して出血した、とかですね。

夜オペは12時を回ることもあるし、晩御飯もそれまで食べられない。手術が終わって片付けをして家に帰っても、翌朝は通常通り診察があります。もちろん昼間のオペよりも料金は高くなります。

そんな事情もあり、夜オペをするかどうかは迷うところではあるのですが、かと言って、「明日までオペを待っても大丈夫」とも言えないのです。

無事に夜オペが終わっても、朝までに急変する可能性もあるし、家に帰っておちおち寝ることもできず、結局朝まで患者さんをみながら病院で過ごすこともあります。

帰宅!今日も1日お疲れ様でした!

全ての仕事が終わって帰宅するのはだいたい11時ぐらいですね。

たまに日をまたぐこともあります。

家に帰って勉強することもあれば、お風呂に入って寝るだけのこともあります。

たまにスタッフ同士で晩御飯を食べに行ったりもします。

当直というのはやっていないんですが、緊急で患者さんから電話があると、当番の人は真夜中でも診察にいかなくてはいけません。

私が働いていた動物病院ではこんな感じで1日を過ごしていました。

病院によって違いはあるかと思いますが、共通点も多いはずです。

動物病院の仕事ってハードです。やはりこの仕事を続けていくには体力がないと、とつくづく思います。

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