にわうさ
にわねこさんが最近よく耳をかいたり頭をふったりしているの
一度耳の検査をしたほうがよさそうだね
こんにちは、獣医師のにわくま(@doubutsu_garden)です。
「耳ダニ」は猫を飼っている人なら一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。
耳に寄生するダニのことです。
ダニって聞くだけでぞわぞわする〜〜!
今日は耳ダニについて解説します。
目次
まずは耳ダニの生態について知ろう
耳ダニ症の原因は、キュウセンヒゼンダニ科のミミヒゼンダニ(Otodectes cynotis)。
寄生虫の一つです。
猫以外にも、犬やフェレットの外耳道に寄生します。
耳道内のはがれた上皮や耳あかを食べて生活しています。
卵→若ダニ→成ダニという生活環(ライフサイクル)で、この期間は約3週間で、寿命は約2ヶ月。
感染力が非常に強いので、接触した動物は感染する可能性が高いよ!
耳ダニの成虫は0.3〜0.5㎜で、とても小さいですが、目をこらせば肉眼でも動いているのがみえます。
猫の耳ダニの症状は?
- 強いかゆみ(耳をかく、頭をふる)
- 耳以外の皮膚(首、腰、しっぽ)のかゆみ、脱毛
- 黒〜茶色の、ぱさっとした耳あか(コーヒーの出がらしのように例えられます)
- 耳道内のかさぶた
- 耳が臭う
一番の特徴は強いかゆみ。
激しいかゆみが出るので、かきすぎて耳から出血していることもあります。
炎症が外耳から内耳まで広がると、斜傾や平衡感覚障害などの前庭障害がみられることもあります。
猫の耳ダニの検査法は?
耳あかを採取して、色やにおい、ベタつきなどをチェックします。
よーくみると、肉眼でも耳ダニが動いているのがわかります。
耳あかを顕微鏡で観察します。
いました。耳ダニ。
卵がみられることもあります。
猫の耳ダニの治療法は?
- 耳道内の耳あかをきれいに取り除く
- セラメクチン(商品名:レボリューション)やイベルメクチンを投与
まずは、耳ダニのエサとなる耳道内の上皮や耳あかをきれいに取り除きましょう。
コットンや耳洗浄液を使うといいです。
レボリューションは耳ダニの卵には効果がないので、3〜4週間で卵が孵化すると症状が再発します。
なので、治療は1ヶ月以上かかります。
まとめ:猫の耳ダニ症のポイント
- 耳ダニは感染力が強いので、接触した動物は治療を受けよう
- 猫以外にも、犬やフェレットにも感染する
- 耳以外の皮膚にもかゆみがみられることがあるので、からだをかいている場合は耳ダニの検査を受けよう
- 家を出入りする猫は、年齢に限らず耳ダニに感染する機会がとくに多いので、しっかり検査を受けよう
- 仔猫や仔犬に多くみられるので、ペットショップやブリーダーのところから迎えたら、一度病院で検査を受けよう
耳ダニの予後は良好なので、しっかりと治療して、清潔に保つようにしましょう。
最後に、家でも使える耳の洗浄液を紹介します。
刺激が少なく、耳にやさしい洗浄液。
エピオティックは価格が高めですが、洗浄力が強いです。
耳の炎症や汚れ、臭いがひどい場合はエピオティックをおすすめしますが、日常的に耳のお手入れをするぐらいであればベッツケアでもいいと思います。
耳そうじを家でできる場合はいいですが、少しでも嫌がるなら無理せず病院でしてもらいましょう。
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