こんにちは、獣医師のにわくま(@doubutsu_garden)です。
獣医師・動物看護士をめざしている人、動物病院で働きたいと考えている人。
「どんな動物病院を選んだらいいかわからない!」
私も就職活動を始めたときはそうでした。
動物病院は全国にたくさんあるので、何を基準に選んだらいいかわからなくなってきますよね。
今日は、就職活動をするときに動物病院を選ぶポイントをお話ししたいと思います。
動物病院での就職活動の流れはこちらの記事で紹介しています!
自分に合った動物病院とは何か?
まずは、自分に合った動物病院とはどういうところか、というお話ですが、こればかりは実際に就職して働き始めないとわからないと思います。
就職活動として行く病院見学では、病院側からしたら学生は貴重な人材なので、
「ウチに就職してほしいな」
と、優しくあたたかく対応してくれるところが多いと思います。
学生も、
「この病院が合うな、やっていけそうだな」
と思うわけです。
私も最終的には、
「なんとなくここなら合いそう」
と、雰囲気や直感で就職を決めました。
しかし、これをできるようになりたい、何かに強い専門的な病院がいい、など、その病院で自分がどうなりたいかは明確にしておく必要があると思います。
そうでないと、合わないなと思った瞬間、やめたいと思うようになるからです。
働き始めてから、思っていたのと違う、合わない、という理由で早い段階で退職したという話はよく聞きます。
就職先を決める際に重要視したポイント
私の場合、具体的に次のポイントを重要視しました。
- 専門病院ではない、一次診療病院である
- 早い段階で診察に出してもらえる
- いろんな症例をみることができる
- 外科手術は簡単なものができるぐらいでいい
- 獣医師(勤務医)の人数が3人以上いる
- 週2日、きちんと休める
- 忙しすぎない、暇すぎない
- 社会保険が完備されている
- スタッフ間の人間関係が良好
順番にみていきましょう。
専門病院でない、一次診療病院である
一次診療病院とは、ワクチンや体調が悪いときに、まず最初に行く病院。
街でよくみかけるいわゆるホームドクター、かかりつけ医です。
これに対し、二次診療病院は、より専門的で高度な検査や治療が必要となった場合に受診する病院。
二次診療病院の多くは、一次診療病院の獣医師の紹介状がないと受診することができません。
私はこれを専門にやりたいというものがなかったので、一次診療病院に絞って探しました。
幅広く、なんでも診られるジェネラリストになりたいという思いもありました。
というか、新卒で二次診療病院に就職する人はあまりいないのかなと思います。
まずは一次診療の経験を積むことが大事です。
早い段階で診察に出してもらえる
病院によって、新人獣医師の育成方針は全く異なります。
最初の数ヶ月間は院長や先輩獣医師の診察についていき、慣れてきたら1人で診察へ、という病院もあれば、4月からどんどん診療に出て、その中でやり方を覚えていけという病院もあります。
最初の1年は、入院動物の世話や雑用しかやらせてもらえないところだってあります。
自分はどのようなスタンスがいいのか、あらかじめ考えておく必要があります。
私はある程度院長や先輩獣医師の診察を見ながら、すぐに実践を積むことができるような病院がいいと思ってました。
知識は教科書を勉強すれば身につきますが、実際の診察は教科書通りにいかないことばかりですからね。
特に、飼い主さんとの会話や動物の触り方など自分でやってみないと身につきません。
獣医師として就職したのに診察もなにもやらせてくれない!
なんてこともあります。
なので、入社してどれぐらいで診察に出ることができるのか、というのも重要な点だと思います。
いろんな症例をみることができる
病院によっては、診察する症例が偏っていたり、難しい症例は全て院長がこなしてしまう病院があります。
健康診断やワクチンから、内科、外科まで幅広い病気を診ることができるようになりたかったのと、犬や猫以外にもエキゾチックペットの症例も学べるような病院を選びました。
外科手術は簡単なものができるぐらいでいい
私は外科手術にそこまで興味はなかったので、避妊・去勢手術など、基本的な手術さえ習得できればいいと思ってました。
軟部外科、整形外科になど、手術をどんどんやりたい人はそのような病院を探すといいでしょう。
最初は外科には興味ないと思っていても、だんだん考えが変わってくることだってあります。そうなれば退職して、次、外科ができるような病院を選べばいいですし、いつでも路線変更できます。
忙しすぎない、暇すぎない
見学のときに忙しそうな病院だなと、なんとなくわかるのですが、実際自分が働きはじめると印象は変わります。
結果、私が選んだ病院は忙しすぎました。
ずっと続けるわけではないのでいいかと割り切りましたが、朝から夜遅くまで拘束されるとか、休憩がとれない、休日でも呼び出されるなど、やはり忙しすぎるというのはよくありません。
自分の健康ありきですし、身体を壊してしまっては元も子もありません。
かといって、来院数が少なく、症例を診る機会が少ないというのも考えものです。
実際働いてみて、大変か、忙しいか、暇か、院長ではなくスタッフに聞いてみるといいですよ。
院長はオブラートに包みますが、スタッフは本当のことをはっきり教えてくれることが多いです。
獣医師(勤務医)が3人以上いる
院長1人でやっている病院もあれば、勤務医が10人以上いる大きな病院もあります。
院長と2人だと診察や治療に対する考え方が偏ってしまいます。
逆に人数が多いと、診察に出るチャンスが巡ってこず、雑用ばっかりという可能性もあると思いました。
なので私は、勤務医が3、4人ぐらいの中規模のところを選びました。
週2日きちんと休める
これも重要です。
休診日がある病院の方がいいのかというと、そういうわけでもありません。
入院動物がいた場合、休診日でも出勤しなくてはならず、結果的に週休1日や1.5日ということもあります。
欲をいえば、有給休暇をちゃんと取れるところが良かったのですが、これはなかなか難しかったです。
まぁこれは、獣医師業界に限ったことではないかなと思います。
社会保険が完備されている
一般の企業では社会保険が完備されているのが当たり前ですよね。
しかし、個人の動物病院では社会保険に加入していないところが意外と多いです。
病院が加入していないと、自分で支払ったりと、とっても面倒。
院長にしっかり確認しましょう。
スタッフ間の人間関係が良好
これが一番重要かもしれません。
獣医師、動物看護士、受付、トリマーなどいろんな職種の人が働く場所なので、スタッフ間の人間関係は気になるところ。
私自身、見学に行ったときにスタッフ間の仲が険悪で、候補から外した病院もあります。
仲がいいかというより、必要なコミュニケーションをしっかりとれているかどうかですね。
半日や1日の見学では、本当の人間関係まではわからないと思います。
でも、自分がその病院で働くことを想像してみて、なんか合わないな、という直感みたいなものはけっこう大事ですよ。
まとめ:動物病院を選ぶ決め手は最終的には直感?!
以上が私が動物病院を選ぶ際に、重要視した主なポイントです。
希望の地域と合わせれば、候補の動物病院はいくつかに絞られてきます。
最終的には、実際に見学に行って、雰囲気や直感で決めればいいと思います。
今日挙げたポイントは、見学に行けば確認できるものがほとんどです。
忙しさや人間関係に関しては、働いてみたら思っていたのと違った!ということもあるかもしれません。
募集要項やホームページだけではわからないこともたくさんあるので、見学に行ったら院長やほかのスタッフにどんどん質問しましょう!
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