こんにちは、獣医師のにわくま(@doubutsu_garden)です。
今、獣医師を目指して必死に勉強している受験生のみなさん。
こんなふうに悩んだことはありませんか?
今日は、獣医師としての適性とは何かについてお話ししたいと思います。
獣医師としての適性とは何か?
獣医学生、獣医師になりたいと考えている受験生の中には、
「自分は獣医師に向いているのか、適性があるんだろうか…」
と悩んでいる人がいるかもしれません。
獣医師としての適性と言われると、
- 動物も人も好き
- 頭の良さ
- 体力
- コミュニケーション能力
- 常に情報をアップデートしようとする向上心
- 手先の器用さ
- 先を見通す能力
- 洞察力や判断力
- 病院の売上に貢献できる能力
などでしょうか。
ほかにも挙げ始めたらキリがありません。
しかし、結論から言うと、
「適性なんか気にせずに自分のやりたいこと、目の前のことに取り組めばいい」
と私は思うのです。
獣医師に適性は必要か?
獣医師は医師と同じように適性が問われることの多い職業の1つ。
大学入試でも、面接や小論文で獣医師としての適性を判断されることがあります。
獣医師1人あたりを育成するのに多額の経費がかかり、その多くが国の税金でまかなわれています。
国の負担を考えると、ある程度適性を判断する必要性はありそうです。
教授たちが受験生に対して獣医師に向いているか、適性があるのかをどのように判断しているのかはわかりません。
これはあくまで他人の評価。
推薦入試の面接をくぐり抜けてきた獣医学生の中にも、ろくに勉強せずに留年した、退学した、という人がいるので、他人の評価というのはよくわからないですよね。
仕事の適性が必ずしもなりたい職業と一致するわけではありません。
獣医師に限らず、仕事をする上で成果を出すということは重要なことで、それができなければ自信をなくし、やめてしまう原因になりかねません。
成果を出したい、成功したいということを1番に考えた場合は、「適性」を重視した方がいいのかもしれませんね。
受験生のうちから適性なんてわからない
では、受験生がまだ獣医師として働いてもいないのに自分で適正を判断できるのでしょうか。
大学に入って授業で本格的に動物に触れるのは高学年になってからですし、飼い主さんと話をしながら診察をするのも動物病院で働き始めてから。
この辺でようやく自分が獣医師に向いているのか、適性があるのかが分かってくるのではないでしょうか。
動物病院で働く臨床獣医師には本当にいろんな人がいます。
学生時代は周りとコミュニケーションをうまくとれず臨床獣医師として向いていなさそうな人も、実際に動物病院で働くようになってから、患者さんとうまく接することができるようになり、指名を多く受けるようになった人。
逆に、成績優秀、学生の頃から動物病院でアルバイトもしているようなやる気に満ちあふれた人が、そのまま就職して実際に診察を始めたとたんに飼い主さんとトラブルを起こして自信をなくし、やめてしまったということもあります。
なので、受験生の頃から
「自分は獣医に向いているのか」
「獣医師としての適性はあるのか」
と悩むのはあまり意味がないような気がします。
実際にやってみないと分からないことだらけですし、人は変わるし成長します。
「血を見ることができない」
とか
「動物を犠牲にして解剖実習するとか耐えられない」
という人はやめておいた方がいいと思いますけどね。
獣医になりたいという気持ちがあるなら、まずは勉強
「適性なんか気にせずに自分のやりたいこと、目の前のことに取り組めばいい」
先に述べた結論ですが、獣医になりたいという気持ちがあるのなら、とにかく今は目の前の受験勉強に必死になりましょう。
獣医大学に受からないと話は始まりません。
獣医学部は定員が少なく、倍率が高い、難関です。
もし、獣医大学に入ってから、もしくは獣医師になってからやっぱり自分には向いていないと感じたらそのときやり直すという方法もあります。
そういう人はいくらでもいます。
私の同級生で、大学2年生の頃に解剖学の実習をやって、自分には獣医は無理だ、と翌年文系の学部に入り直した人。
また、獣医に入って勉強し始めたけど、やっぱり人間の医者になりたいと大学1年の前期のうちに休学し、浪人生になった人。
獣医師に向いているか、適性があるのかと今悩んでいても、大学で授業を受けたり働いているうちに自分も変わってくるのです。
しかし、大前提として、「動物が好き」という気持ちは大切にしてほしいと思います。
もちろん好きというだけではやっていけない仕事です。
でも目指すのであればこの気持ちは持っておいてほしいと思います。
受験生のみなさん、がんばってください!
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