ハリネズミがふらつく!立てない!歩けない!ふらつき症候群とは?

こんにちは、獣医師のにわくま(@doubutsu_garden)です。

今日は「ハリネズミのふらつき症候群」についてのお話。

ハリネズミを飼っている人なら一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。

今のところ原因不明で治療も難しく、致死率の高い疾患として知られています。

今日はハリネズミのふらつき症候群について解説します!

目次

ハリネズミのふらつき症候群( Wobbly hedgehog syndrome ; WHS)とは

「Wobbly」はもともと、「ふらふら、よろつく」という意味です。

Wobbly hedgehog syndromeは脱髄性麻痺のことで、別名ふらつき症候群といいます。

ふらつきからはじまる進行性の不全麻痺や麻痺症状がみられるものを総称したものです。

ハリネズミの神経系の病気のなかで、致死率が高いものです。

アメリカでは、ペットとして飼われているアフリカンヘッジホッグ(ヨツユビハリネズミ)の10%で発生がみられたとの報告があります。

ふらつき症候群の症状は?

丸まれない、たまにふらつく、つまずくといった軽い運動失調から始まります。

この時点ではあまり症状に気づかない飼い主さんが多いようです。

だんだん後ろ足に力が入らなくなって、常にふらつくようになります。

数ヶ月かけて症状は進行し、後肢の不全麻痺、そしてついには四肢全てが麻痺します。(多くは後肢の麻痺から始まり、だんだん前肢へ症状が進行し、最終的には全身の麻痺へと進行)

同時に、ふるえや眼球突出、脊椎側弯(背骨が曲がる)、発作、筋肉萎縮、衰弱、自傷行為がみられることがあります。

摂食障害嚥下障害をともなうので自分でごはんを食べられないようになり、どんどんやせていってしまいます。

また排便・排尿も困難になるため、最終的には死亡してしまいます。

2〜3歳で発症の報告が多いですが、全ての年齢で起こりえます。

オスとメスでは差はありません。

ふらつき症候群の原因は?

原因不明です。

マウス肺炎ウイルスが疑われる例が報告されていますが、原因は特定されていません。

また、遺伝性や栄養不良、カルシウム・ビタミン(とくにビタミンB1)不足、ウイルス、細菌、中毒、外傷、ストレスなどが原因として考えられていますが、よくわかっていません。

ふらつき症候群の診断方法は?

残念ながら、生きているうちに確定診断するのは困難です。

年齢や症状、経過からある程度推測できるので、同じような症状が出る脳腫瘍や椎間板疾患、肝性脳症などの病気を除外して仮診断をすることになります。

最終的には多くの場合、発症から18〜25ヶ月以内に死亡するので、解剖して病理検査を出すことで確定診断できます。

解剖した時の肉眼所見として、削痩(やせている)、脊椎側弯(背骨が曲がっている)、全身の筋肉の萎縮、肝臓の腫大がみられます。

病理学的には、脱髄(神経細胞の軸索をつつむカバーが破壊される)や大脳白質・小脳・脳幹・脊髄白質での空胞化変性、神経壊死がみられます。

治療法はある?

原因が特定されていないため、治療法はありません。

これまでもいろいろな治療法が試されていますが、有効な治療法はないのです。

ステロイドやNSAIDS(非ステロイド性抗炎症薬)、ビタミンB製剤、抗生剤で症状の緩和がみられることもあるようですが、一時的なものに過ぎません。

また、フードを食べられなくなり脱水するので、皮下補液静脈点滴もおこないます。

しかし、これらの治療は治すためではなく、状態を維持するための方法になります。

一番大事なのは、お家でのハリネズミの生活の質をあげるということです。

  • 段差などをなくしてバリアフリーのケージにする
  • やわらかい寝床にする
  • シリンジで液体状にフードを与える

などハリネズミが快適に、ストレスが少なくなるような環境が必要です。

まとめ:ハリネズミのふらつき症候群については知られていないことが多く、難しい疾患である

ふらつきや麻痺がみられたからといって、ふらつき症候群とはかぎりません。

もし症状がでた場合は、まず病院で診察を受けましょう。

原因や治療法など、わかっていないことが多いですが、ハリネズミが快適に過ごせるように飼い主さんの力が必要です。

新たな情報が入れば、また追記しようと思います。

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カワイイ写真も多くてオススメです♪

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