こんにちは、獣医師のにわくま（@doubutsu_garden）です。
今日は、ハリネズミのフードの選び方、与え方について解説します。
野生のハリネズミの食べ物は？
ハリネズミは肉食に近い雑食です。
野生では主に昆虫やチョウの幼虫、ミミズ、かたつむり、ナメクジなどを食べています。
その他にも果実や種子、キノコなども食べます。
にわうさ
にわくまにわうさ飼育下のハリネズミの食べ物は？
一般的にペットとして飼育されているのはアフリカヨツユビハリネズミ。
野生のハリネズミと同じような食事を与えると消化不良や下痢起こしてしまいます。
では何を与えればいいのか。
飼育下のハリネズミにはこれを与えれば大丈夫、という正確な情報は残念ながらありませんが、高タンパク質、低脂質のフードが理想的といえます。
- 総合栄養食（ハリネズミ用フード）
- 昆虫類
- 野菜・果物
総合栄養食を主食として、昆虫類や野菜、果物を副食として与える。
これでオーケーです。
主食はハリネズミ用フードですが、栄養補給や食欲増進のために昆虫などの生餌や果物、野菜を少量与えるとバランスがいいですね。
昆虫は市販のミルワームやコオロギ 、野菜はキャベツやニンジン、果物はリンゴやバナナなどです。
ハリネズミフードの選び方
野生のハリネズミは昆虫を食べることでタンパク質を多く摂っているので、ペットに与えるハリネズミフードも高タンパクなものがいいと思います。
理想の栄養成分は、粗タンパク質30～40％、粗脂肪10～15％といわれています。
にわくまハリネズミセレクション イースター
まずはこちら。
イースター社のハリネズミセレクション。
ハリネズミフードの定番ですね。
こちらを与えている人が一番多いような気がします。
主原料は鶏肉で、高タンパク質・低脂肪。
オリゴ糖、乳酸菌が配合されていて、腸内の細菌バランスを整えてくれます。
また、合成保存料、合成着色料が無添加なので安心。
このフードに変えて下痢をしたとか、トラブルは今のところ聞いたことはありません。
ふやかしても、カリカリのままでもオーケー。
ハリネズミフード 三晃商会
次はこちら。
小動物の用品やフードを開発している三晃商会のハリネズミフード。
こちらも人気ですね。
タンパク源として鶏肉のほかに、昆虫の成分も含まれています。
にわくま動物性繊維質(キチン質)が含まれていて、ビタミンEを強化配合しています。
カリカリでもふやかしても与えることができます。
口コミをみても、嗜好性は高いようなので、ほかのフードを食べない子はこちらに変えてみてもいいかも。
オッティモ ジクラアギト
最後にこちら。
ジクラのアギト オッティモ。
こちらも高タンパク質・低脂肪。
小粒なのでカリカリでも食べやすいと評判です。
やや値段が高めなので、ほかのフードをベースにこちらを混ぜてみてもいいですね。
にわくまハリネズミのフードはふやかす？カリカリのまま？
フードはお湯でふやかして与える方法と硬いまま与える方法がありますが、どちらがよいかと聞かれると迷うところですね。
ふやかしすぎると歯石がつきやすくなり、歯周病になる可能性が高くなります。
逆に硬いままだと歯肉を傷つけてしまうかもしれません。
個人的には、ハリネズミは消化管が短く、消化に時間をかけられないので、やわらかめがいいのではないかと思っています。
ハリネズミにミルワームを与えよう
野生のハリネズミは昆虫やミミズ、カタツムリなどを食べています。
しかし、ペットして飼育する場合、このような餌を準備するのは難しいです。
そこで、ペットのハリネズミには「ミルワーム」という甲虫を与えましょう。
ミルワームは生き餌の一つですが、生体タイプと乾燥タイプがあります。
にわくま生体ミルワーム
生きている餌なので自然界に近く、動物に必要なタンパク質が多く含まれています。
普段与えているフードとは別に、おやつ感覚で与えると喜びます。
身近で手に入りやすいミルワームの外皮やコオロギの外骨格は繊維質に富んでいて、噛むことによって歯についた歯垢を除去してくれる効果も期待できます。
乾燥ミルワーム
生体ミルワームをそのまま乾燥させたもの。
ミルワームの形は平気だけど動いている虫は触れない、という方におすすめ。
乾燥しているので日持ちはいいですが、生体ミルワームに比べると鮮度や栄養価、嗜好性は落ちます。
好んで食べるのであれば、管理も楽で非常に使いやすいです。
ただ、見た目は生き餌と変わらないので、ミルワームの見た目がそもそも無理！という人はパウダーになったものもありますよ。
ハリネズミのフードの与え方
ハリネズミに与えるものは、
- 総合栄養食（ハリネズミ用フード）
- 昆虫類（ミルワーム）
- 野菜・果物
でしたね。
ハリネズミは夜行性で本来は夜の間中、食べ物を探して歩きながら食事をします。
つまり、少しずつ何回も食べるので、夜間に何回かに分けて与えるのが理想。
しかし、夜は人間が寝ているので、夜中に何回も食事を与えることは難しいですよね。
ハリネズミの活動が活発になる頃に1回目を与え、しばらくしてから2回目を与えてみましょう。
ハリネズミフードを与える量は年齢や体格によって異なるので、説明書通りに与えてみて、残すようなら減らす、と調整すればいいと思います。
ミルワームや野菜、果物は高カロリーなのでおやつ程度にしましょう。
フードの食べが悪くなった時だけ与えるのでもかまいません。
ハリネズミはフードに飽きてしまうことが多く、新しいフードに変えようかな、なんてこともありますよね。
初めてのフードを与えるときは、いきなり大量に与えずに様子を見ながら少量ずつ与えてください。
特に昆虫類はいきなりたくさん食べると消化不良や下痢を引き起こす可能性もあります。
ハリネズミは偏食が激しい
ハリネズミは「グルメなペット」と言われます。
好き嫌いが激しく、同じエサばかり続くと飽きて食べなくなってしまい、それが何日も続くこともあります。
ハリネズミはいろいろなものを食べるので、ハリネズミフードやミルワーム、野菜、果物を数種類準備して、混ぜて使ったりと味の変化があるように工夫しましょう。
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