こんにちは、獣医師のにわくま(@doubutsu_garden)です。
チンチラを飼い始めて気になるのは病気のことですよね。
こんな症状があるけどこれは普通なのかな?病気かな?
今日は、チンチラによくみられる病気と症状、日頃からみるべきチェックポイントについて解説します。
チンチラによくみられる病気ってなんだろう?
チンチラにみられる病気を部位別に紹介していきますね。
皮膚疾患
まずは皮膚からみていきましょう。
- 皮膚糸状菌症(カビ)
- 細菌感染
- 寄生虫(ツメダニ、ノミ)
- 毛噛み・自咬症
- 毛輪(リングファー)
- ファースリップ
- もつれ
- 足底潰瘍
- 栄養生皮膚疾患(ビタミンA・E欠乏症)
- 腫瘍
チンチラは寒くて乾燥した環境に対応するため、非常に密な被毛をもっています。
1㎠あたり1000個の毛包があり、一つの毛包から60〜90本の毛が生えています。
そのため、寄生虫は比較的少ないのですが、環境や手入れが悪いと皮膚トラブルが起こりやすくなります。
- 脱毛がないか
- 皮膚がただれていないか
- しきりに自分の皮膚や尻尾を噛んでいないか
- 陰部周りの毛がもつれたり皮膚がただれていないか
- 足の裏が出血したりごわごわに硬くなっていないか
毎日15分ほどの砂浴びをさせることと、室温17〜24℃・湿度30〜40%で保つことが重要です。
歯科疾患
チンチラは臼歯の過長による不正咬合が多くみられます。
うさぎさんと同じですね。
- 食欲はあるか、体重減少はないか
- やわらかいものを好むようになったなど、嗜好性の変化はないか
- よだれで口周りの皮膚がただれたり、毛玉ができていないか
- 口や頬を触ると怒ったり歯ぎしりをしないか
下痢
チンチラの下痢もよくみます。
正常便はこんな感じ↓
下痢の原因は、
- 感染性(細菌・ウイルス・寄生虫)
- 食餌性
- 医原性
- 心因性
- 内臓疾患
詳しくははこちらをどうぞ。
その他の消化器疾患
- 便秘
- 腸重積
- 疝痛
- 直腸脱
- 鼓腸症
チンチラの消化器は非常にデリケートで、下痢以外にもさまざまな症状がみられます。
- お腹を痛がっている様子はないか
- 便が小さくなったり硬くなったりしていないか
- 肛門から粘膜が出ていないか
呼吸器疾患
次は呼吸器系。
- 鼻炎
- 気管支炎
- 肺炎
気道の常在細菌(ボルデテラ、レンサ球菌、パスツレラ)が増殖することにより炎症が起こります。
原因は過密飼育や換気不良、不適切な温度・湿度、栄養不良、ストレスなどが考えられます。
- 目やに、鼻水、くしゃみはないか
- 震えていないか
- 呼吸が荒くなったり苦しそうな呼吸をしていないか
泌尿器疾患
- 膀胱炎・膀胱結石
- 急性腎炎
精囊腺からの分泌液が結石の核となりやすいので、膀胱結石はオスに多くみられます。
草食動物なのでカルシウム結石が多いですね。
- 血尿、頻尿はないか
生殖器疾患
- 流産・難産
- 子宮蓄膿症
- 子宮内膜炎
- 陰茎の腫れ
チンチラは妊娠・出産にともなうトラブルが多いです。
- 膣から膿のような分泌物が出ていないか
- 食欲はあるか
- 背中を丸めたり、歩き方に違和感はないか
その他の疾患
熱中症
チンチラは高温多湿に弱く、25℃を超えると熱中症の危険が高まります。
肥満のチンチラも要注意。
元気がなくなって、横たわって呼吸が浅く速くなります。
カルシウム欠乏症
カルシウム欠乏は妊娠中のメスや若齢のチンチラに多くみられます。
成長が遅い、切歯が白くなる、食欲低下、重症だと発作がみられることもあります。
まとめ:病気の早期発見のためにも日頃からチンチラの様子をチェックしよう!環境を整えることで予防できるものもある!
チンチラは体が小さく、少しの変化に気づきにくい動物です。
まずは、日頃の行動や状態を観察して把握し、「いつもと違う」ことにいち早く気づいてあげられるようにしましょう。
チンチラの病気はストレスや不適切な環境が原因で起こるものも多いので、環境や生活をもう一度見直して、病気の予防をはじめましょう。
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